考える自由『あたまの鍵』

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テレワークの普及でPC監視ツール導入はナンセンス

テレワークが普及すると問題になってくるのは、自宅で仕事をしている社員はサボらず仕事をしているだろうか?という事だ。

と書き出しておいてなんだが、そんなの問題じゃない。サボって何が悪いんだと開き直る感覚すら自分は持っている。

社員がサボらないように監視ツールをPCに仕込んでやろう。

そんなことしたって無駄だ。ならばコチラは監視ツールをだますプログラムを仕込むだけだ。『なんやこいつ?めっちゃ仕事しとるやん!?』ってなもんですよ。

そんなプログラムなんて自分では作れない?そのうち世の中にあふれだすよ。

今何してる?には意味がない

テレワーク普及で一番変わることは、成果主義というのがより鮮明になる点であろう。

気持ちいいもんじゃないが、ゴマすりもスキルだよな。でも少し触れているが、顔を突き合わせて仕事をする環境では、仕事が出来なくてもキャラで乗り切れたりする。

しかし、テレワーク環境ではその辺の要素はかなり薄くなる。カメラで顔は見えていたりするが生の人間と対面している状態と比べれば情報は少なくなるし質も下がる。

カメラがあるといっても常に繋がってるわけじゃない。用があるときだけつながる。同じフロアで働いていれば対面で話している時だけじゃなく、その人が職場でどのように動き、同僚と接しているかという情報も手に入る。テレワークではそうした情報が無くなるので、より成果に関心が集まるようになる。

もちろん技術が進めば、仮想空間に出勤して五感も共有できるなんて時代もくるかもしれない。そうなったら、アバターを不正にいじったイケメンも夢じゃない。

テレワークで実現していく環境にはマルチワーク環境というのもある。ダブルワークは当たり前なんて環境だ。詳細は省くが、企業から成果やミッションに対して対価をもらうスタイルで複数企業の仕事を請け負うという事になっていくのが当たり前になるかもしれない。

【今なにしてる?】というのは、個々の仕事のウェイトや標準時間、締め切りがあいまいといった事が引き起こす問題だ。同じフロアで働いて様子が見れたから、何となく仕事してるなと安心してただけだ。テレワークになって実は何もわかってなかったのが露呈しただけ。というのは少し厳しすぎた意見だとは思ってる。

実際にはそう簡単な話ではない。

テレワークでのキモは適切な業務配分だ。個々のスキルに合わせて人材育成も意識しながら業務を配分する。これを実行しようとすると前述したように個々の仕事に対して掛かる時間や必要なスキルなどを徹底的に設定する必要がある。標準化だ。こうした考え方は製造業などの方には受け入れ安い考えだと思う。

とはいえ簡単な話ではない。

時間設定はもとより単純な成果で測れない仕事もある。一日考えて終わることもあれば、結局形にならずに終わる研究もある。

おそらく仕事を管理する手法の多様化と密度の向上が進むんだろうと思う。

標準化することで一人の業務量をコントロールしたり、管理職がマメに進捗の確認や様子を確認することで現状を把握して調整するといった事だ。

単に席にいないからサボってるなんて発想なら、テレワーク時代の管理職は無理だろう。そもそも、テレワークは育休などの問題も解消できる。例えば女性なら退職せずに働き続ける事ができるようになる。とはいえ子育てと両立するのだからPCの前に座りっぱなしというわけにはいかない。上司の裁量と器量で適切な業務の内容と量を設定し、それに伴い妥当な給与を提示していくといった事が必要になるわけだ。

PC監視ツールの導入なんて発想をするなら、管理力の向上を目指すべきだ。

そもそも『そんな会社で働きたくね~』ってなもんで、あの会社はPC監視ツール入ってるなんて情報はすぐにわかるようになるんだから、そうしたらだれも働きたいと思わない。むしろ、【弊社はPC監視ツールはありません】って求人が出てきそうだ。

そりゃしょっちゅうサボってますよ。でもね、社員のPCの監視ツール仕込むなんて会社で働きたいと思わないでしょ。自分に自信がないのか知らないけども。信用されない会社で働く社員が楽しく働けると思えないし、業績が良くなるとも思えない。

多くの無駄によって能力は磨かれ、ルーティーンも人それぞれ

以前に人材の育成の肝は金と暇では趣味とかに時間を使える環境が出来れば、それが能力向上につながるって話をしたんですが、サボってるのも同じだと思うんですよね。

サボりすぎて成果がイマイチってのは流石にだが、ある程度は許容してやるのがいいと思っている。

いわゆる雑学なんてのは、それ単体では役に立たないかもしれないが、そうした情報を蓄積して積み上げていくと仕事の能力にも反映されるようになると思っている。何も情報を持たなければ何も起こらないが、情報や体験の蓄積はアウトプットされる物の品質にも貢献していく。

PC監視ツールを導入しようという人は、誰かがちょっとヤフーニュースを見ていたら、鬼の首をとったように騒いで注意喚起を促して仕事やってますアピールをするんだろう。

まぁ一日暇つぶしのヤフーニュースを見てるなんてのは確かに困るのだが、ある程度の節度を持ってサボってるなら、それは息抜きとみていいんじゃないかと。

そもそも、個々のパフォーマンスを最大限引き出そうと思ったら仕事のスタイルにも多様性を認めるべきなのではないかと思っている。プロスポーツ選手の試合直前の過ごし方は選手それぞれだ。

これはビジネスマンも一緒ではと思う。”プラプラしてるのにいつの間にか仕事が終わってる人”、”ジッとしてたと思うと鬼のようにキーボードを叩き始める人”、”一つずつ仕事を片付けるのが好き”、”複数の仕事を切り替えながら同時進行させる人。色々だ。

集中力はどうせ持続しない。集中と集中の合間の息抜きの仕方もそれぞれだ。”誰かとおしゃべりする人”、”ヤフーニュースを見る人”、”休憩室でコーヒー飲む”、それぞれが自分のスタイルを持っている。みんな一律で足並みを揃えようというのは日本人の美徳を生んでる要素かもしれないが、反面ではそうした規律から外れた所に良い仕事というのが存在しているのも事実だ。

監視をしないとサボるという発想ではなく、監視をしないことでどんな良い影響が発生しうるかという事を、真剣に考えてみてはどうかと思う。